自分自身を愛することが大切だと思う 脱毛症Rさん

小学2年生で発症…自分が自分じゃなくなる怖さ

脱毛症を発症したのは小学校二年生のとき。

幼い頃からクラシックバレエを習っていて、レッスンの際に母に髪をお団子にしてもらうのですが、母親が髪が生えてない部分があるのに気づいたことがきっかけでした。

まずは自宅近くの皮膚を受診して、円形脱毛症と診断されました。
最初は単発だったのに、だんだんと多発性になって。
一年くらいでほとんどの髪が抜け落ちてしまいました。

小学校へは隠せなくなってきた頃からバンダナを巻いて行くようにしました。
友達は「おしゃれで巻いているのではないだろうな」とは分かっている雰囲気でした。
その後、眉毛、まつ毛もなくなったので明らかに見た目が変わってしまいました。
その頃は色々といわれることもあって悲しかったです。

かといって学校へ何か特別な対応などの要望はしていなくて。
プールの時にバンダナを取り換えるられるように保健室に行けるようにしてもらったくらいかな。

ウィッグを作る事がどうしても嫌だった中学時代

中学入学時に親に言われてほぼ無理やりにウィッグを作るように連れていかれたのですが、当時の私はウィッグをどうしても受け入れられませんでした。
わんわん泣いて抵抗しました。

今では何故あんなに嫌だったのかよくわからないくらいですが「ここでかつらをつけたら負け」って気持ちが大きかったのかも。

「まだ治療している途中だ」という思いもあったし、とにかく拒否、拒絶して、バンダナで過ごす事にしました。

高校入学でウィッグデビュー!でも…。

中学では全く受け入れられなかったウィッグですが、その後中学3年間過ごすことで考え方も変わって、高校入学時にはすんなり受け入れる事ができたんです。
高額ですがオーダーメイドでウィッグを作ってもらいました。

ウィッグをすることでパッと見れは普通の女子高生として過ごす事ができます。
でも、内心では「自分ではそうじゃない」と思うってしまう。本当の自分を偽っている暗い気持ちがいつもしていた。
だからウィッグをしている事が辛い、と感じることもありましたね。

ウィッグのことは学校の先生と友達2、3人のみにしか知らせていなかったから、まさに「隠すためのウィッグ」でしたね。
このころは、隠している事自体が辛かった時期です。

高校生活で困ったのはやっぱりお泊りや体育。
お泊りのときはお風呂を別にしてもらいました。
お風呂後っぽくしようと、わざわざウィッグを濡らしてから戻ったり。
寝るときは外れないように両面テープでウィッグをガッチリ固定して、誰よりも早く起きてセットする。

なんとかバレないように必死でした。
どうしてみんなと同じじゃないんだと、もどかしさを感じましたね。

みんなからは普通に見えているけど、本当はそうじゃない。
隠していて、言えない。
知ってくれる人が周りにない、ってことが何より辛かった。

専門学校進学と同時にカミングアウト!

高校時代はウィッグをしながらも「隠していることがもの凄く辛かった」から、専門学校では入学と同時にカミングアウトすることにしたんです。

とっても緊張したけれど、求めていた反応をもらえたんです。

その反応は、
「へ~。」
ってそれだけ。

脱毛症のことを理解してくれなくてもいい、ただ知っていてもらうだけで充分、と思っていましたが、何の疑問も持たずに自己紹介の一つとして受け入れてくれたことに逆に拍子抜けしちゃいました。

このカミングアウトは、はじめましての人だからこそ良かったんじゃないかな。
「私はそういう人」「これからよろしくね」という軽い感じで話せたから。

それが成功体験になって、それからは「これから仲良くしたい」と思う人には最初に言うようにしています。
関係を構築していく一番最初のタイミングでさらっと言うことが重要だと感じます。
重く言うと重くなってしまうし。
こちらの伝え方で相手の反応も変わるんですよね。

お付き合いしたいなーって人にも、早い段階で伝えました。
これはやっぱり緊張しますけど。

伝える時のコツはまず「ウィッグなしの写真を見せる」こと。
写真だとちょっと衝撃が弱まるみたい。
それもアプリで盛ってある、可愛めの写真がいいんです(笑)
私自身も実際に目の前でウィッグをとって見せるよりも写真を見せるほうが楽だし。
現在、お付き合いしている彼がいるんですが、彼の反応もスキンヘッドの自分、ウィッグをつけている自分共に特に変わらず、「可愛い」と言ってくれています。

思春期の自分に声をかけるとしたら…

発症したばかりの小学生時代は、自分の見た目に気持ちがついて行かず、「なんで?」という思いが強くて、自分が大嫌いでした。

いろいろな経験をしたからこそ、乗り越えたから思えることは「自分のことは自分しか愛せない、かわいがれない。」ということ。

今は自分で自分のことをかわいいと思うし、好きです。

「自分自身を愛する」を伝えたいな。

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