言ったら意外に楽かもしれないよ」というのは覚えておいて欲しい。 脱毛症Yさん
中学時代に円形脱毛症を発症。
いじられながらも・・・意地で登校!
中学生の時に脱毛症を発症しました。
発症直後は地元が狭い世界だったから、人に知られるのが嫌で病院にも行けなくて。
皮膚科の受付の人が友達のお母さんだったらどうしよう…なんて勝手に謎の被害妄想していました。
学校へは髪の毛を結んで隠して行っていて、気を許せる友達には打ち明けていました。
「見えてない?大丈夫?」ってチェックしてもらったり。
先生にはクラス替えや席替えの際の協力をお願いしたんですが、時代なんですかね、全く聞き入れてもらえませんでした(苦笑)
恋愛に関心はもちろんありましたが、「自分が恋愛できるわけがない」という思い込みんじゃってた。
男子も髪がないことをいじってくるから、このころの男子には良い思い出がないんです。
でも「学校を休んだら自分の負け」って負けず嫌いの気持ちで、意地で学校に行っていた(おすすめしないですが(笑))。帽子もウィッグをつけなかったのも負けず嫌いの気持ちから。
ウィッグで隠しているのをいじられるくらいなら、ハゲいじりされる方がまし!って思っていたんです。
先手必勝!高校の入学直後に全員に告白!
中学校ではウィッグを使っていなかったんですが、高校入学に合わせてウィッグを使うように。
3年間クラス替えがない学科を選んだので「先に言ったほうが楽かも?」と思って、入学後のオリエンテーション時にクラス全体に告白しました。
母親には「ウィッグならわからないから、あえて言わなくてもいいんじゃないの?」と言われましたが、後でばれるのも嫌だったし、やっぱりカミングアウト。
同級生からの反応は・・・特にはありませんでした(笑)。
そのあともみんなの寝癖トークに入れないくらいで、わりと自然な感じで3年間過ごせたんです。
これが後々とっても良い成功体験になりました!
高校時代には彼氏もできました。
付き合って間もない頃、やっぱり髪のことも話しました。
反応は・・・これも特に(笑)
「そうなんだ。大変だったね」くらいのことしか言われなかった。
地元でモデル活動&Coming Out!
SNSを見ているとスキンヘッドで素敵に写真を撮っている方を見かけて、私もしたくなってしまって。
「私スキンヘッドなんですけど、撮ってもらえませんか?」とアマチュアのカメラマンにお願いしたのが撮影の最初。
実はその撮影の時が家族以外にウィッグつけていないのを見せるのは初めて。
かなり戸惑ったけど、でも「頼んじゃったしなぁ」っと(笑)。
この写真撮影をきっかけに、SNSでもカミングアウトしました。
数年ぶりの知り合いから連絡があり「写真みて勇気もらえた。自分の悩みがすごく小さかったんだなって思えた。ありがとう」って言ってもらったり、それほど仲良くなかった中学の同級生が「すごくきれい」って連絡くれたり、マイナスな反応はなく、好評だったです!
かといって、実はいまも自信があるかというと、そうではなくて。
「髪があったらなぁ」とは未だ思います。
細かい部分でウィッグでは地毛とは違って表現できないものも多く、もどかしくもあります。
でも、他のモデルさんではできない写真を撮れるというのは、自分の強み。
ありきたりな構図をぶっこわせるのは、スキンヘッドのおかげですね(笑)。
ウィッグは、気にしないで使えるものが好き!
今使っているウィッグはリネアストリアさんのウィッグがほとんで8割くらい。
あとはアクアドールさんのを気分を変えたいときに使ったり。
大ざっぱな性格なので、こまめに手入れできないんです。
自分に髪があってもきっとそんなに大事にしてないな、と(笑)。
だから気にしないで使えるウィッグが好きで、ちゃんとしているのに人毛より安いので、天使シリーズ(人工毛)ばかりです。
スタイルは基本的に短いものばかり。
飲食店等の接客業をやっているので、肩にかかると結ばないといけないんです。
でも、ウィッグを結ぶのって難しいから、私は不器用で結べないなって思って(笑)。
だから、基本は、ショートかボブか。
まゆげは最近はまあまああるけど、スカスカだし薄いです。
アイブロウメイクはすぐ消えちゃうから眉ティントしてたりします。
工夫すればそんなに大変じゃないですよ。
中学生の自分に声をかけるとしたら…
中学時代は、誰にも知られたくなかったし、自分の中にこもりすぎていました。
自分の考えだけに囚われすぎていたように思います。
高校に入ってウィッグをつけはじめて、大人になるにつれ、いろんな人に話すようになると、意外と自分が思っているより周りの目って優しかったなっと思う。
同じ症状の人で、会社の同僚や友達に言っていない人もSNS見てて多いなぁと思うけど・・・。
「言った方がいいよ!」とは、やっぱりいえない。
自分も言えなかったし。
でも、「言ったら意外に楽かもしれないよ」というのは覚えておいて欲しい。
実際いろいろ言ってくる人がいるのも事実ですしね。
でも、「そうなんだね」で済ましてくれる人がほとんど。
人によっては「頑張ってね」と言ってくれたり、「あ、そうなんだ、全然知らなかった。」っていうのが多いです。
意外に周りって自分のこと見てないなって(笑)。
そういうのがあると、ちょっと楽かなぁって思います。